2021年12月30日木曜日

松尾芭蕉

 今年の成果は

奥の細道

初めてゆっくり

芭蕉の気持ちになった

足が痛い とか

粗末な宿

土間に むしろを敷いて

寝ることの苦痛と

翌朝早く 旅立つ気持ち

歩き出すほうが気持ちがいい

夏の朝の

気持ち

五月雨を集めてごうごうと

流れる最上川

もがみがわ という音で

ちゃんと おさまっている

さみだれを 5

あつめてはやし 7

もがみがわ 5

巧いものだなあ

ということを思い出しながら

除夜の鐘をきくことにするか

昔の007を見ながら

ウイスキーを飲むか

まだ迷っている

2021年12月29日水曜日

若狭に大雪

 彦根に舞鶴に鳥取に

寒気団が流れててんやわんや

熊川から今津の道も立ち往生

車輪が回転するから 雪で空回り

人は 前へ 前へ 交互に 動いているから

京都と若狭は物流が途絶えないはず

担いでいけば

中世のころや近世を想像している

夜 除雪車が何度も往復している

道路は やがて箒で掃いたように

薄く きれいになって

朝に 雪が軽いから 大したことはないぞ

近所も 笑っている

越前の冬である

今年もいろんなことがあったが

夏は暑く 冬はやはり寒く

病気にだけは なりたくないな

茅の輪をくぐりながら祈る

どうか 神様 無事で 良いことばかり

ありますように


2021年12月27日月曜日

秋の思い

 古い漢文の教科書に 気になる詩があり ここに書きたい。

題名は「秋の思い」作者は「張籍(ちょうせき)」

漢詩文を横書とする無礼を、ごめんなさい。


「秋 思」

洛陽城裏見秋風   洛陽城裏秋風を見る

欲作家書意萬重   家書を作らんと欲すれば意 万に重なる

忽恐匆匆説不盡   たちまち恐れる そうそうにして説き尽くせざるを

行人臨發又開封   行人 発するに臨んで また封を開く

街に秋の風が吹いて、家に便りを書こうと思えば沸き起こる思いの数々

心せいては書き漏らしも出ようかと ふと気になって 飛脚が立つ

まぎわに また封を開けて見る。

解説:洛陽で役人暮らしをしている作者が故郷を思っている。秋風:晋の張翰の故事をふまえ、

張翰は、呉郡(江蘇省)出身の役人、そこは鱸(ろ)という魚と蒪菜(じゅんさい)が名物であった。秋風が吹くとジュンサイの、あつものと、魚(すずき)の、なますの味を思い出し、とうとう官職を捨てて郷里へ帰ってしまった。名利に淡泊な人の逸話。

例えば、京都出身の役人が、「京まいこちゃんポンポン」で、官を辞すかどうか。




今年も終わる

 寒い冬の真ん中にいる

松代大本営の本を読んでいる

70歳になった

周りで いろんな事件が起きた

1月に屋根の上で 雪で滑って膝を痛めた

9月になって急によくなって

喜んでいたら また痛くなった

すると雪になった

敏感なものだな

細菌戦争も嫌だ 

領土 上陸 水際

今年は 良い読書ができた

ライシャワーの自叙伝やらドナルド・キーン

小林秀雄の本居宣長 急がないと

戦争と平和、罪と罰、ヘミングウエー

限りなく拡がっていた私の世界も

少し焦点が定まって あきらめて

木犀の剪定も割と速く終わり

背中を何か せかされる想い

悠々と急げ

開高 健 は言った

人生とは何であろうか

生きるというのは一体

何なのか 

知っている人が減って

知らない人が増えている