子供のころ
村の半鐘がなって
怖かった
カンカンカンカン
土手が切れるぞ
やがて道路が川になり
家の中に水が入ってきた
ちょろちょろと入ってくる
母が新聞紙を丸めて
隙間に詰めたりしていたが
父がバケツに赤土をもってきて
敷居にドバっとかけて
ちょろちょろは止まった
そのまま寝ようとすると
畳は箱の上に積んで
床板は外して
仏壇はきちんと閉められて
大きな板戸に囲まれて
猫もちゃっかり
二階にいた
蔵の二階に寝た
朝起きると田んぼの向こうに
牛が死んでいた
飼い主がのこぎりで切って
かついで帰った
学校は泥だらけで
ずっと休み
うれしかった
0 件のコメント:
コメントを投稿