若いころは一番いい背広を着て
御用納め
式に出て挨拶回り
カレンダーもらって
お昼は そばを食って
午後は 掃除 あとは まあじゃん大会
それが五時まで仕事になり
仕事納という文字になり
残業する年もあった
気が付くと正月だという時代もあった
昨日 私は仕事を五時で終えて 部屋の電気を消し
廊下で すれ違う職員に 次々と頭を下げながら
良いお年を と 声をかけ
私の儀式は 2分ぐらい
歩きながら 終わる
私も年をとった
私の世界も進化した
忠臣蔵の畳替えは なかったらしい
赤穂浪士の時代は
もうないのだ
なんて 思いながら
仕事を 納める
浅野の殿様がお坊ちゃんで
キレやすく
吉良さんがいろんなことを知っている
老人で
今の私は吉良さんに近いな
しかし私の中には
浅野の気持ちが年に2回ほど
湧き出る
私には死んでくれる部下も
組織もなく
大石内蔵助もいないから
ただ心の中に
風が少し舞うときに
ああ と叫ぶ
声に出さずに
また 今年を終える
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