新しい職場で先輩から教わった
電気スイッチの位置を
ああそうだった
と反芻する年齢になった
思えば私にも
19の頃があった
池袋の西武でバイト
どんな仕事も平気
群衆をさばいて ほめられた
文学部を出て
大学図書館に45年勤務した
新しい職場の書棚には
かつて整理した本や
初めて見るのもある
古い資料の最後に私の名前があった
若い頃 編集委員会の末席にいた
これまで50万冊の本に触れて
硬い表紙と闘った この手は強かった
褒めてやる
だんだん年齢が増えてくると
儀礼的な 私への謝辞があったり
ほとんどの人が鬼籍に
みんな優しく笑っていた
川平さんも 田中さんも 野田さんも 菅村さんも
私が新人の頃の上司は
40年の間に地球から出発した
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