2022年11月5日土曜日

詩人懇話会

 20年ぶりに顔を出した

60歳の人は80歳になって

70歳で 亡くなっている人もいた

みんな 表情は柔和だった

嫌いだった人もいた

そんなことも 忘れ

やあやあ と握手した

へたくそな詩でいいさ

生きることが仕事だ

へたくそな詩で十分だ

死ぬまで生きるんだ

それでいいさ

笑顔で別れる

彼らは地下に行く

これが最後かもしれない

地下には 車があるのだ

本物の地下に行く

わけではないよ

しばし の別れなのだ

手を振って笑いながら

わかれるのだ

笑いながら エレベータのボタンを押す

開くというボタンを押しているから

いつまでもみんな

ドアの開いたエレベータに

黙って乗っている

のだった



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