畑に ぐるりと置いて
にらを植えて
草を採り
急に夏になって
排水溝の掃除をして
土曜日や日曜日には安心する
みんな休日だから
無職の人はこういう感じか
さみしいものだ
48年ぶりに無職になった
はじめは嫌だったのに
そういえば退職した大学教員は
家に来い 本を寄付する
これはお前にやる
偉い人も
旧帝大の学長も学部長も文化勲章も
電話かけてきて 書斎の掃除して
不要な本は図書館に渡し
亡くなるとご遺族がもう一度
連絡してきて
今度はごっそり整理するのだ
こうしてみんな
定年後は
畑を耕しながら
年をとっていくのか
味わっているが
やはりどこか
まだ
納得していない
地球上の経済活動 定年
耕して食糧を作ること
それはわかる
燃え尽きないのだ
納得のいく
きちんとした
詩が生まれていないから
なんて 言い訳を考えながら
庭の草を抜いている
雀に餌を撒いて
ほかの鳥も待っていて
この瞬間を得るために
これまで働いてきたのだと
納得させるのに
手こずっている
難しいものだ
人間は
私は
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