長い夢をみた
口を開けて寝ている
口の中に誰かが
細かな山砂を
園芸用の小さなスコップで
絶え間なく注ぎ込む
苦しいからやめてくれと言うが
あたりには誰もいない
小さな鶏小屋のそばで
夕焼け空の下
私は横になって
なぜか横須賀線の線路のそばを
漂っている
やがてようやく
誰かが私の名前を呼ぶ
しかしそれは私の名ではなく
名札は すでに取り外され
故郷の山の反対側の
海の中に
海草とともに浮かんでいる
船の白い船腹のあたりに漂う
クラゲの中に
よく似た表情の私が
笑っている
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