椎の木を抜いた
大きくなりすぎて そろそろ 伐らないと
狙っていた
近所のおじさんが 手伝ってくれて
根を切って 掘って また掘って 切って
チェーンで ぶら下げて 引っ張って
重かった なかなか 上がらない
蝉が 3匹眠っていた
初めて見た 可愛そうなので 別の場所
に穴を掘って 移した
根を切りながら 昔 台風が来た夜
近所の小屋から重いトタンが
降ってきて それをこの木が防いでくれた
ありがとう の気持ちが
湧いて 塩をまいて
拝んで 抜いた 重い
根っこを ばらばらにして
車に積み込むとき
小指が挟まって 眼に 土が入り
腰が痛む
このようにしてまで 抜く必要はあったのか
この 椎の木の寿命は 40年だった
小さな苗木を持ってきたのは
親戚のおじさんだった
とっくに なくなっている
お酒の好きな 痩せた人
椎の木の お礼を 施設で話したが
記憶に ないと 言った
今日 40年ぶりに椎の木を倒し
ぼくも なんとか 生きてきた
0 件のコメント:
コメントを投稿