2014年10月31日金曜日

久しぶり

20年前の上司が
蕎麦でも食おうと
ふらりと姿を見せた

私は京都の骨董市の話をした
布袋さん、掛け軸、あまり好きなものはなかった と

上司は快速列車で宇部へ行ったらしい
宇部は下関から行く 

大根降ろしをかけた越前そばを食って外へ出る
カエデの木が紅葉していた

20年前には小さな苗木だった
こんなに立派になるのだね

誰が見ているのだろう
真面目に咲くのだね

そりゃあ損得ではないですよ
植物はね

誰かさん みたいに威張ったりしない
弱いくせに吠えたりしない

私は黙って聞いていた
誰かさんは私のことではないか

しかしこの上司は皮肉を言う人ではないから
誰かさんは私ではないと

想うことにした









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