40数年前 池袋の映画館
オールナイトで東映のやくざ映画を見ていた
池部良と高倉健
「この喧嘩のけりは俺につけさせてやっておくんなさい」
雪の降る道を番傘をさして殴り込み
親に貰った大事な肌を 墨で汚して白刃の下で
積もり重ねた不幸のかずを 何と詫びようかお袋に
背中で泣いてる唐獅子牡丹
観客はみんな泣いている
帰りは みんな肩を怒らせて前から来る人に
どんとあたって おう気をつけろ
みんな高倉健さんになっていい気分
ただ私の場合は うしろに座った客がほんとに悪い奴で
両足あげて映画を観ている
時々私の側頭部を革靴でこんこんと横に叩き
スクリーンが良く観えねえ
いわんばかりに いじめる
腹が立って 40数年も憶えている
健さんのご冥福を祈ります
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