2015年3月28日土曜日

マッサン

私の係長は「まっさん」だった
同じ年であったから親しみを感じていた
しかし上司は愛称で呼べない
係長と呼んでいた

まっさんの上司は
「まっさん」と呼び、いつも人気者だった

「まっさん」は仏(ほとけ)の○○と呼ばれ
温厚でやさしく、大きな声を出さない
理想的な上司だった

その後に仕えた上司と比べると
数人を除いて
ほとんどが威張りんぼう
だった気がする

私のような変な男でも
自分が偉くなったような気がして
威張り散らしたことがある
抵抗できない弱い人たちを標的にして
まわりの空気を壊したこと
恥じている

ところが最近
怒る人も、優しくふるまう人も
持っているエネルギーは一緒ではないか


周囲に笑いを撒く人は
自分の腹の中に怒りをためているかもしれない
怒りを振り撒く人は
腹の中に小さなユーモアを隠し持って
いるかもしれない

みな照れ隠しで
表に出すときの選択次第ではないか
怒りのほうが素直で
優しさは我慢で
優しいほうが大変なのだ

だから 怒ってばかりいる上司の方が
本当はかわいらしい上司なのだと
怒っていた上司を思い出している
春の宵であります

私も年をとったものだ

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