ざあざあと雨が降った
秋雨前線というらしい
文字を彫った
一つだけ気に入らない形をしている
削り直して
また文字を書き
印刀を立てて
カリカリと彫った
雨が降っている
55年ぶりの友人たちの生きざまを
想像して
カリカリと石を彫った
藤本も死んでいた
久保も国富も田村に山本益弘
西蔭、角、大橋、経が島、倉谷、村上、どうしたのだろうか
私も体を壊して
あるいは死んでしまうことも
ある
幸いなことに
まだ痛い目には合っていないが
確実にある方向へ向かっている
のだ 人間だから
仕方ないのだ
だけど
秋は寒い
寒い朝だった
0 件のコメント:
コメントを投稿