2015年2月28日土曜日

生活排水

ここ数年間
台所排水の溜桝(ためます)を
掃除してなかった
天気も良いので長靴とゴム手袋で
ふたを開けた

10年ほど前に初めて開けた時
あの衝撃
石鹸製造工場かと思ったくらい
すごかった

クンでも汲んでも汚水は
泣きたいくらいあった
しかし今や私は成長し平気だ

10年前に補修した個所も覚えている
ためしに汚水を汲んでみた
割合きれいな水だった
安心安心
蜘蛛が1匹いた
まあ許してやろう 背赤後家蜘蛛かな
せっかくだから底も点検しましょ
水を汲んでいくと底に堆積した
砂があった
あれれ どうして砂が底にあるのか
はてな記号がひらめいた
すると細い水がマスの中に放出されてきた
小便小僧のおしっこのような感じで
小便小僧のは見たことはないが
あれれマスの外の水が
マスの水が減って戻ってきたのだな
こりゃあ水漏れだ
すぐに焼き鳥の串でつついてみると
ぽろぽろ崩れて漏れた汚水が戻ってきた
庭のあちこちから小石やレンガの破片を集めて
穴に詰めて どんどん詰めて
それからセメントをこねて
団子にして指で詰めていく
何度も失敗して

完成したのは4時間後
昼飯を忘れて没頭した
古い家は壊れてくるよ
という言葉を思い出した


2015年2月27日金曜日

孫育児

テレビで
爺さんとばあさんの
いわゆる孫の育児についての番組
ためになった

顔の近くで息をかけると
むし歯の菌がうつるから
近寄らないで
と言われるらしい

好きなだけチョコレート
食べさせて
家に帰ってご飯食べずにいても
爺さんばあさんは
別に知ったこっちゃないと
心の隅で思っているだろうと

あたっているけど
そう悪く思っていないのだが

殺人事件の犯人が逮捕されたようだ
中学生を殴ったり
カッターで切りつけたり

凄惨な事件だった
爺さんばあさんの悲しみは
大きいはずだ

悲しいことだ

2015年2月26日木曜日

考えてみれば

太平洋戦争で日本の戦死者が
約300万人という数字がある

兵士が戦死すれば戦争孤児が増える
父親を失くした子供たち
たくさんいるはずだ

父は南方で戦死
叔父さんは潜水艦で還ってこない
そういう戦後の苦しい時代
生きてきた人たち

まじめに働いて懸命に生きてきた人たち
朝早く起きて厳格な祖父に育てられた人たち

あの座席を倒した特急の受験生を見たら
どういう声をあげるだろう
やはり親はいないほうが子どもはしっかりする
というだろうか

列車

国公立大学の2次試験
母親と受験生で
特急は満員

受験生は座席を思いっきり倒し
車掌の検札に親が対応して
子どもは親に切符を渡し知らん顔
顔が腐っている

親のいない受験生は
検札の順番を察知して
きちんと準備して

差が出ている

僕は「後藤田正晴」伝記を読んでいる
父親を早く亡くすという
場面を読んでいる

2015年2月23日月曜日

ヒトシのセリフ

薄暗い部屋でぼんやりしていると
急に昔のことが鮮明に脳裏に宿った

突然
過去のセリフが聞こえてきた

西武池袋線の椎名町あたりでラーメン食って
店を出たとたん ヒトシが

ちょっといいかい

去ってゆく二人を呼びとめた
あんたたち
この車のバックミラーをいじったのかい

いいえ
ああそうかい なら いいんだ 
二人とも ぶんなぐってやろうと
おもったんだけど

人違いだな

私は映画を観ているような気がした
都会ではこういう風に人が
人を殴るのか

私の田舎ではそういうことはなかった

2015年2月22日日曜日

木を植える

雪で倒れた柘植の木を
もう一度植えることにした


地面に穴を掘って
2メートルの高さの木を
よっこらしょと植えて


支えの柱を立てていると
温かな春の風が吹いてきた


おお春一番だ


それからしばらくすると
雨がぽつり


あちこちから
懐かしい電話がかかる


やあどうしてる
どうもどうも
ええどうもどうも
勉強してる


あと15年するといくつになる
ええっと

2015年2月21日土曜日

懐石料理

ふとしたきっかけで懐石料理を予約して
はるばる出かけて行きました

おいしいです
量は少ないけど

先付おいしい刺身も一流、塩、味噌、ワサビで醤油も甘く
すばらしい温かくて

吸い物のお椀も赤く、外は寒いからなおさら
室内は香ばしい魚のけむり、ああ炭の匂い

しかしあろうことか、私は眠ってしまいました
次の料理が持ち切れず

カウンターのムコウでは主人がじっと見ていた
そうですが私は知りません

隣りの客は若いくせに知ったかぶり
マゲワッパがどうのとか
ひみ寒ブリは板前の包丁さばき次第とか
同伴の彼女に自慢して
ややムカついていたのです

料理が出るタイミングがやや遅く感じて
そのうち眠ってしまったのです

帰りに醤油ラーメンを食べました
私は高貴な人ではない
しみじみ思いました
むしろ下品な人でいやしい人
がつがつして人の悪口を言う
嫌われる人

2015年2月20日金曜日

古いトラック

今朝、交差点で
ぼろぼろのトラックを見た

車体は錆びて ボルトが浮いて見える
家を建てる日に

新居のひのき柱をこの車が積んで来たら
あなたどうします

トラックの荷台が傷だらけであっても
柱が保護されていればよい
それとも 新居が建つ日だから、嬉しくて
気にしない

だけどもしも、近所で噂が広まる
あの家を建てるのは倒産した大工さんらしい

久々の仕事で、トラックに燃料を入れていたけど
ぼろぼろのトラックしか持っていなかった

そういわれても
いやでしょう

気が付くと交叉点から
トラックが消えている

どうやら私の妄想なのだ

2015年2月19日木曜日

ぐじ

若狭のぐじ
アマダイのこと

甘鯛の吸い物
焼き物

うまかった

ほんとは「くず」というらしい
屈折した頭で「屈頭」
「ぐず」も聞こえが悪く
「ぐじ」というらしい
「愚図」も大昔からあったのか

祭りになると母が、お膳で運んでくれた
「膳だな」という「戸棚」があって
たくさんお膳が並んでいた
どれも甘い、若狭の漆の
独特のにおいがした

2015年2月18日水曜日

明るい

明るい人がいい
暗い人より

横着な人は嫌い
自分のことしか考えない人も

押し付ける人は嫌い
おもねる人も

人にペコペコしろという人は嫌い
その人がいなくなると必ず悪口を言う人も

陰口も愛嬌だから
まあいいや

ともかく 他人に迷惑をかけないこと
自分を主張せず

謙虚に そして ほがらかに

2015年2月17日火曜日

外科医

ロスの外科医
ラッシュ

スキャンダルな外科医

いつもなぜかチャンネルが
そこに行くので観ている

グラマラスな魅力あふれる人たち
薬中毒の人たち

日本なら絶対ないぞ
そう思って観ている
つまり私は健全だと思っている

しかし私が数日前に見たあの夢
丘の上でどこか遠い天体に行ったあの朝
外科医ラッシュの薬物中毒画像と似ていた

そしてその精神構造が同じに思えた
つまりこの映画監督と私は
感覚が同じなのだと

2015年2月16日月曜日

自動車

お金がたまると
良い自動車を買う人が多い

今より
もっとよく走る高い車

フランク永井はスチュード・ベイカーだった
小林旭はジャガー
裕次郎はベンツ

芸能人はポルシェが多い
野球選手もベンツが好きだ

田中角栄はクライスラー
二階堂はリンカーンコンチネンタルだった
と思う

気を付けないといけないこと
あまり ちかちか 
ブレーキランプを点灯させないこと

それと運転していると
運転手に間違われるから

手袋を脱いで
帽子をかぶらずに運転すること

2015年2月15日日曜日

不思議な夢

朝7時半に迎えに来てくれると
助かるんだが
私の上司は言った

いいですよ、と私は答えた

朝起きると6時、余裕がある
畑の雑草を抜いたりしていた
すると親友のM君が突然畑に来て
すごいパチンコ屋ができた
今なら間に合うからちょっとだけ行こう
しぶしぶ出かけると、大きな丘の上に
壮大なパチンコ店が開店していた
市長もいる、市民が入場している
迎えに行く上司もいるではないか
私は、すっかり安心して
なつかしい旧い台に挑戦して
チンジャラと玉を出した
40年ぶりだ
どれくらいたったか

大きな時計が10時30分だった
まわりには誰もいない
M君も市民も上司もいない
丘が消えているではないか
どうやら住んでいる地球ではない

大声で叫んだ
日曜の朝だった
夢でよかった、しみじみ思った

2015年2月14日土曜日

親のない子と

さいきんつくづく思う
親は早く死んだほうが子供はしっかりする
周りをみても
しっかりしているのは
みんな親を早く亡くした人たちだ

親が長生きして
あれこれ口を出すと
本当に情けない子どもが出来上がる

子どものために親は
できるだけ早く他界しなければならない

しかし子どもが立派になって
親になるとして今度は子供のために
早く死なねばならぬ

これじゃあ社会の役に立てないのではないか
私の結論は次のとおり

人生は短い
社会で活躍する時間も短い
だから回転をよくする意味では

早め早めが良い





2015年2月13日金曜日

知っていますか

知っていますか
私は20歳で
日本経済新聞を購読していました

経済学部へ行きたかったが
法学部へ行きました
しかし株には大いに興味を持っていました

知っていますか
株をやるには10億円くらいを持っていなければ
できませんよ
1000万以下はごみ
100万ではカスですから

私は3億円くらいです
まあ遊びです
日本の経済に敏感であれば
誰でもできますよ
教えていただけませんか ですって

とんでもない
失敗したら責任とれないです

株はたった一握りの金持ちの
楽しい遊びなんですよ

知っていますか
しらんわ

2015年2月12日木曜日

最近思うこと

よく金持ちの家に生まれ
とか
貧乏な家庭に育ったとか言うけれど
アッという間の人生だ
この前19歳だった
初めは東京駅を緊張して歩いていた
夏になると下駄ばき
新幹線に乗って京都へ出て
ビールを飲んでマージャンして
パチンコして
大阪の天王寺へ行って
万博の頃だった

長い髪だった
それからあっという間に
数十年経って

病気で何人かが亡くなった
人生は短い
だから頑張れる

2015年2月11日水曜日

まいった

月曜の朝はかちんかちんに
坂道が凍って
事故の車がいる
それを見ながら私の車もずるずる滑って
交叉点の真ん中でやっと停車

火曜日も雪は降ったが
道は凍らず
走りやすい

しかしまいったな

立春
喜んでいても
2月11日は紀元節
建国記念日
寒いな

吉田茂と池田隼人の番組を見る
安保と占領状態からの日本独立
戦争が終わって
講和条約を結んで

戦後の経済成長へと
今夜は難しいことはやめます

2015年2月8日日曜日

春の音

春の気配がする
周りは少し明るく


きらきら輝いている
立春とは
ほんとに
うまい表現だ


気温さえ上がれば
もう春だ


受験、転勤、昇進、退職
引っ越し、新築


嬉しい人
失意の人


また始まる
人の季節

2015年2月5日木曜日

どうかしている

ものすごい勢いで赤色灯をつけて
消防車と覆面パトカーが交叉点を通過した

火事か
しばらくして
小学生が川に浮かぶ胎児を発見したそうな

へその緒がついていて
まだその時点では生きていたのだろう
しばらくしてラジオにニュースが流れた

和歌山で小学5年生が刺されて亡くなった
どうかしている

人間はそういうものではない
人を刺す
そういうものではない
はずなのに

2015年2月4日水曜日

節分に

また恒例の豆を撒く
福は内
鬼は外

パラパラ
パラ

そういえば 子どもたちが
保育所で作ったお面をかぶって
きゃあきゃあ走り回って
今度はこちらが鬼になると
酔いもあって
ガオーッと吠えると
子どもたちは泣き声になって

その子どもも親になり今夜も 
豆撒きをしているだろう

そう思う
節分であったのだ

2015年2月3日火曜日

40年

かれこれ40年
職場にいた人が
とうとう退職するというので
あいさつに見えた
すでに3年前に現役を去っていたが
後任が決まるまで非常勤で
仕事をしていた人

なつかしい思い出
雪の話 交通事故の話 宗教、旅行、麻雀、囲碁

不意に涙が出た
無事 ここまで来られて
めでたい めでたい 
彼は深々と頭を下げた

長い間ありがとう

いろんな人が 亡くなって 
我々だけが 残されている
ような気がしていた

2015年2月2日月曜日

中東

子どもの頃 第3次世界大戦は中東から起きる
と言われていた

大日本帝国海軍が真珠湾を攻撃中なのに
宣戦布告が遅れ
米国民は不意打ちだ 卑怯者 と叫び
結局 敵愾心をあおることになったと

「真珠湾は眠っていたか」

高度な政治テクニックにやられた
空母は湾外に出て、古い戦艦だけ残して 
参戦の口実 という人もいる

日本は戦後、平和に暮らしてきた
宣戦布告は 戦争開始だ 
今夜あたり 空襲もありうる
危機感を持っている人は何人いるだろうか
日曜日のハワイのように団らんで楽しい夜
ひたひたと静かに地下足袋で上陸した上海事変
潜航艇、「回天」、「櫻花」、「震洋」
日清、日露、大東亜 かつて父たちが歩いてきた道だ
相手の立場になれば よくわかる

2015年2月1日日曜日

どうする

これから
お前たちは敵だ
俺たちは
お前たちの血に
飢えている

といわれても困る

世界中の日本人が命を狙われる
という

いやな感じ
これまで不思議な国
昔アラブの偉いお坊さんが
コーヒールンバ
モロッコ、エジプト、
ロンメルの砂漠の鼠
アカバ あのイギリスのロレンス
ピータ・オトゥールのオートバイ・ブラフシューペリア
だったのに
びくびくとしながら
命を狙われるなんて