2015年3月31日火曜日

春の花束

黄色の花束を贈って
別れる

春の別れ
涙と
ほろ苦い記憶

振り返れば楽しかったことばかり
いろんなことが起き
あわてて走り回って

楽しかった
そういう思い出しか
浮かばないことも幸せ

準備をしない挨拶を交わしながら
人は別れていく

手を振って
別れていく

さようならと告げて

2015年3月30日月曜日

3月も

いよいよ明日で3月が終わり
新年度がやってくる

今日は80歳になる白髪の
老教授が訪ねてこられ

20年前の話
驚いたのは

その昔 民宿を紹介した
おいしい魚、カニを食べたい

まるで昨日のように鮮明で
こちらが忘れていたのだった

元気が一番
飲んだら暖かくして眠ること

寒い夜に寒い部屋に
帰っても良くない

朝温泉に入って
ゆっくり帰ってくれば良い

なるほど
いいことをおっしゃる

2015年3月29日日曜日

タイヤとジャガイモ

きのうはよい天気だったが
他にすることが山ほどあり


今日は朝から2台
冬タイヤから夏タイヤへの
交換


最初のボルトがさびていて
きいきいときしむ
きい きい きい きい


近所の寝ている人たち
怒っているだろう


なんでこんなに錆びて
回らなくなったのか


2時間もかかってしまったが
選挙カーが回ってきて


音は今のうちだと
思いっきりまわしてぎいぎい
外れた


午後は先週の日曜に耕し
畝をつくり、肥料を撒いたアマチュア畑
に灰をまぶしたジャガイモを植えた


せまい庭にジャガイモ植えて
戦時中の食糧増産を想像してみた


あくまでも想像です
誤解のないように




すると雨が降ってきた
これで水やりは省略です

2015年3月28日土曜日

マッサン

私の係長は「まっさん」だった
同じ年であったから親しみを感じていた
しかし上司は愛称で呼べない
係長と呼んでいた

まっさんの上司は
「まっさん」と呼び、いつも人気者だった

「まっさん」は仏(ほとけ)の○○と呼ばれ
温厚でやさしく、大きな声を出さない
理想的な上司だった

その後に仕えた上司と比べると
数人を除いて
ほとんどが威張りんぼう
だった気がする

私のような変な男でも
自分が偉くなったような気がして
威張り散らしたことがある
抵抗できない弱い人たちを標的にして
まわりの空気を壊したこと
恥じている

ところが最近
怒る人も、優しくふるまう人も
持っているエネルギーは一緒ではないか


周囲に笑いを撒く人は
自分の腹の中に怒りをためているかもしれない
怒りを振り撒く人は
腹の中に小さなユーモアを隠し持って
いるかもしれない

みな照れ隠しで
表に出すときの選択次第ではないか
怒りのほうが素直で
優しさは我慢で
優しいほうが大変なのだ

だから 怒ってばかりいる上司の方が
本当はかわいらしい上司なのだと
怒っていた上司を思い出している
春の宵であります

私も年をとったものだ

2015年3月27日金曜日

トルストイ

アンナカレニーナも魅力的だが

アンドレ・ボルコンスキー公爵
私は好きだった

なかなか格好良かった
むしろピエールよりも好きだった

戦争と平和
ナターシャ

ナポレオンとクツーゾフ将軍
冬の恐ろしい戦争

人間はなぜ戦争をするのか
昨日
硫黄島に住んでいた人々が再開したニュース

栗林中将の硫黄島
決戦に備えて16歳以上の男子は島に残り
姉たちは本土に帰ったという

アッツもキスカも餓島もペリリュー島もフイリッピンも

インパール 沖縄 サイパン
どの場所も不慣れな場所

潜水艦に乗っていた伯父も還ってこなかった 

余談ながら
ビットリオ・デ・シーカの戦争映画「ひまわり」
リュドミラ・サベーリエワが良かった

2015年3月26日木曜日

伐られる木

すごい音がバリバリと響いて
木が倒れ

みるみる丸太の束ができる
今日で30年ほど生きてきた木が
エンジンのこぎりで伐り倒された

春だというのに悲惨なこと
雪の重みで枝が折れて
みっともなかったが
ここまでやられるとは思わなんだ

仕方ないか
木も古くなって邪魔になれば
次の世代に切られる
そうさ邪魔になるから

これまで守ってきた傲慢な自分の考え
誰も寄せ付けなかった放埓や わがまま
知らぬ間に覚えた身のこなし
ああ気持ち悪い

それらを
すっぱり切って丸太を縦に
割って乾かして燃やして

そうだそうだ
若い人たちはその火に手あぶりで
暖かな未来を想像すればよい
笑って笑い転げて
朝まで楽しく飲めばよい

私もそうしてきたのだ

2015年3月25日水曜日

凍っている

車の窓が ばりばり
あつく氷が張って
お湯をかけても溶けない

3月25日
桜の咲く卒業式というのに
寒い

何から何まで地球は反逆する
地震に雷
水害に突風

何か悪いことを
私たちは行ったのだろうか
悪いこと
まあ なんとなくわかりますけれど
個人的には善良でした

イギリスの農村事情や
古典を読む院生が増えているらしい
捨てたもんではないですよ
京都の偉い教授が囁いた

そうかそうなのか
準備をした苦労
努力はいつか必ず報われる
のだ

2015年3月24日火曜日

卒業

朝から雪だ
蛍の光 窓の雪

蛍雪時代という雑誌があった
卒業式では
在校生が泣きながらこの歌を歌う

ほたるのひかり まどのゆき
ふみよむつきひ かさねつつ
いつしかとしも すぎのとを
あけてぞけさは わかれゆく


卒業する組がこの歌を歌う

とまるもゆくも かぎりとて
かたみにおもう ちよろずの
こころのはしを ひとことに
さきくとばかり うとうなり

こちらは変声期で迫力があって
先に行くぞというところが好きだった

青春でしたがその先は知らぬ
なぜだか知らぬ
不思議な歌でした

 つくしのきわみ みちのおく
うみやまとおく へだつとも
そのまごころは へだてなく
ひとえにつくせ くにのため

ちしまのおくも おきなわも
やしまのうちの まもりなり
いたらんくにに いさおしく
つとめよわがせ つつがなく

2015年3月23日月曜日

無常の雨

夜中にざあざあという音
雨が降っている
昨日の肥料は流れないか

一雨ごとに春がくる
「春雨じゃ濡れてまいろう」

月さま雨が
月形半平太

シュンぺータと東畑精一と小倉武一
農業総研「君を感化院にあずかる」
「土地立法の史的考察」

農家人口が減少することで日本の農業はバランスをとり
強い農業へと転身することができる
農村人口は減る
しかし日本の政治が農協をバックにしている
「保守の地盤」

しかしずいぶんと変わってきました
21世紀ですから

確かに兄が土地を継いで
弟は大学を出て都会で生きていく
土地がない国だから仕方ない

いつも親は言っていました

2015年3月22日日曜日

じゃがいも

おそるおそる腰をかばいながら
畑を耕す
去年の土が固くしまって
落ち葉が変色していやな色
土はやがて風にさらされて
日光に当たり ほぐれて

さらさらと 手の中で踊り
眠っているミミズの子供も少し動く
これだこれだ

朝の9時から昼飯忘れて夢中になって
腰が痛いのも忘れて あちこち

ははあこれか
いくら腰が痛くても畑に出たい
という施設の老人

爽快感
春の日差しのもと
久しぶりに味わった

整形外科に行ったこと
すっかり忘れていた

これがホントの作業療法

体は動かすことだ
まあいろんなことも考えました
志賀直哉と小林秀雄とか
草むしりをしながら


さわやかな楽しい日でした

2015年3月20日金曜日

整形外科に

背中が痛いので
整形外科へ行く

ココですか
ぴくっと痛い
レントゲン写真
ひびが入っているとか
その上の筋(きん)が痛んでいるとか

エコーで診てもらう
診察を待つ間
ロビーにいると

それにしても歳をとると 
人は なぜあんなに品がないのだろう
私が 先に来ている
しかし 番号札をもらっていない

あなたは月給いくらですか
もっともらっているでしょう
何時に起きて何時に寝ているか
茶碗は誰が洗っているか
貯金はどれくらいあるか
割としっかりした老人なのに
いやなことを隣りの人に質問する

これじゃあ若い人から嫌われる
はずだ
あの辺りは気を付けないと

後藤田正晴

徳島の人
水戸高校から東大
戦争中は台湾にいて
内務省 警察庁
官吏

政治家
内閣官房長官
田中角栄の懐刀

保阪正康の「後藤田正晴」を読んだ

自衛隊は海を超えない
ということ
つよく念じていたひと

2015年3月18日水曜日

雨の道

日本詩人クラブの
アンソロジーが届く

父がかつて味わった
戦争の無残なことを書いた

シンガポールの夕立
自分が子どもの頃の夕立

父と田んぼへ行って
雨が降ってきたときのこと

自分の小学校では
先生が「日本はなぜ戦争をしたか」
その理由 
なんだかよくわからない言葉で解説していた

「社会」の時間だった

2015年3月17日火曜日

夕暮れ

春の夕暮れが好きだ

買い物に行ってきてね
母は言った
今日はカレーだから
肉を買いに
買い物かごをハンドルに引っ掛けて
自転車に乗って
竹の皮にくるんでもらって帰ってくる

小学校3年生くらい
楽しかったな
夕暮れになるちょっと前

近所の人たちや青い煙のバス
勤め人が帰ってくる
あのころの夕暮れ


2015年3月16日月曜日

春だ

今日はとても暖かい
もう春だあ
高校生も進路が決まり
新しい世界を目指して
うきうきと過ごしているはずだ

大学の先生が逮捕された
交通事故というが車は壊れてない
プロはすぐに見破る

事実は小説よりも奇なり

夕焼けを見ていたら
3月いっぱいで街を去る人が来て
昔話に花が咲いた
たしか
あの人のお父さんは 自転車で
車にはねられたのだった
などと40年前のことを
話し合った


2015年3月15日日曜日

携帯の修理

携帯電話が壊れ
購入したお店でと思い
外れた部品を見せて修理は可能ですか
聞いてみたが3軒とも
「新品を買うとよい」いろんな機種もある
それにあなたの貯めたポイントも結構ある
新品を買えば数万円は必要だ
やがて客が来て、店は大混雑となり
朝の10時に家を出て
終わったのは13時過ぎだった
高校生の入学祝とか大学生、小学生
日本中が電話魔だ
てんてこ舞いだった


おまけに「電話が通じない」と
お店に妻がやってきた

2015年3月14日土曜日

新幹線は速い

ずっと特急で往復してきたが
今回は新幹線を使った

やはり速い
びゅんびゅうと引っ張られる
あっという間に到着した

いつも乗り換えが面倒だった
自動改札機は詰まってしまい
混乱していた

あれから何年経ったのか
機械は進化した

誰も不平を言わない
誰もが整然と並び
キチンと整理される

2015年3月10日火曜日

春の雪

三島由紀夫の割腹事件のころ
「豊饒の海」4部作が出て
書店は大賑わいだった

春の雪
奔馬
暁の寺
天人五衰

輪廻、転生
何か不思議な気持になった

今日は吹雪
まさに春の雪であった
そういえば昔
月へ行った人がいた

今日、若い人が亡くなった

現場では台車を探すことに
私は夢中になった
物を運ぶ手押し車に
なぜか夢中になった

2015年3月9日月曜日

成長とは

若いころ何か気に入らないと
あちこち蹴って足が張れた
わがままで子供っぽく気まぐれ
つまり幼稚だった

若いころ神経に触って蒼ざめた
すると職場の先輩が きみ我慢しなきゃ 
じっと我慢しなきゃ 駄目 こんこんと説教された

我慢などさらさらする気はなく
馬鹿野郎 ふざけやがって 憶えてろ
数十年 我慢しないで 生きてきた

ところが今朝 つまらないことが起きて癪に触り 
つかんでいた椅子を投げつけたくなった
しかしなぜか我慢した
するとまもなく力を合わせないといけない難局がきて
もしも蹴っ飛ばしていたなら
気まずい雰囲気になっていただろう
和気あいあいで乗り切る
蹴らなくて良かったな
しみじみと思った
これは大変な成長だ
大器晩成とはこのことか
いまさら遅すぎたのか
まだ間に合うのか

2015年3月8日日曜日

灯油の価格

3週間前に灯油は1リットル68円だった
安い価格だと喜んでいた

今日は89円  どうして20円も上がるのだ
この前は90リットル買うと 6000円だった
今日は8000円だ  おかしいだろう
どうなっているんだ
金さえ儲かればよいのか
そういうのを守銭奴というのだ

金太郎も最近は
かねたろうと呼ぶらしい

浦島太郎は水之江の浦が苗字
名は島太郎という
浦島 太郎は間違いなのだ

しかし
灯油の価格が当面の課題であります

2015年3月7日土曜日

お神酒

子どもが車を買い替えるというので
これで見納めだと

14年間の思い出も懐かしい
コンビニへ行って日本酒を1合
前輪後輪に振りかけて お神酒だ
お礼を言った  まだまだ乗れそうな気がするが
職を得て妻を娶り 子供にも恵まれ
小さい車は不便なのだ
ということは私の子育ても終わりなのか
じゃあと言って エンジンをかけると
家の前をゆっくり廻り 重い音で
子どもと一緒に車は帰って行った
私は雨の中、木陰から手を振った
センチだが思えば喜ばしい平和なことだ
ロンメル元帥の戦車
あの砂漠の残骸を想像すれば
動いている車を新しく買い替える
いいことだ

2015年3月6日金曜日

昔の上司

電話があった
息子が家を建てて
引っ越すので
おれ一人になるんだ

食事もこれから
どうしようか悩んでいるんだ

一人で楽しくやったらどうですか

君と話していると
昔のことを思い出すなあ
焼き鳥屋へ行ったり
出張先でものすごいいびきで
朝の4時から起きて
大事な会議で眠くて

あれはひどかった

遊びにおいでよ
妻が亡くなってから
本当に寂しいのだ

一度おいでよ
歓迎するよ

2015年3月5日木曜日

春の雪

今日
雪が舞った

春の雪だ
きらきら光っていたが
すぐに消えてしまった

今日はいろんなことがあった
順に物事は解決していった

岐阜県の若い市長は
30万円収賄と言われていたが
裁判所で無罪となった
市民はおおむね好意的に受け止めていた

韓国で米国の大使が切られた
生麦事件と伊藤博文を思い出した

戦艦武蔵が発見された
「海の墓標」だ

2015年3月4日水曜日

上司

仕事で

褒められた人
叱られた人

何度も通ってきたのに
上手くいかなかった人
いや
思いがけず
結果が良かった人

想像以上に悪かった人
単純計算ミス

わかっていて
わざと間違える人
高等な技術だから
この世の方法は難しい

特に部下が上司になる場合は

2015年3月3日火曜日

花を買う

3月3日は毎年
花を買う

もう今年で40年になる
誕生日のプレゼント

花屋さんが減っているようだ
若い人が花を買わないせいか
花束を持って歩いている人
あまり見ない
残業した帰り
雨の中
閉店直後の店のまえで
ドアをノックして

いろんな思い出がある
赤いバラが翌日
花瓶に活けられ
しばらく咲き誇ることも
うれしい

2015年3月2日月曜日

骨董

隣り町で
骨董店を開いた先輩がいて
お菓子を買って
開店祝いに行った

わかりにくい場所だった

上海事変の盃が棚に並んでいた
そういえばロシア語の先生が
東寺の骨董市で見つけて
こういう盃を集めていますと
見せてくれたが
わが家の古い戸棚に
いっぱいあった

従軍すると記念にくれる
今夜はこれで飲むか
父は星の模様の盃を手に取った

2015年3月1日日曜日

往復切符を買う

JR駅の切符売り場に
並んでいると
駅員さんが
どちらへ行きますか
それは いつですか
列車はもう 決まってますか
窓側 つうろ側
禁煙ですか
聞かれた


なんでやねん
人の秘密を


聞きとってメモにして
入力して
はやく切符を手配してくれるなら
まあいいか


ところがそれは大間違い
そのメモを持って
売り場に出せ
そうすれば早く切符が出るという
そういうことだった


まもなく私の順が来て
割と早く切符が出た


しかし私が最後の客だった