若い頃は
大人たちの振る舞いに
憧れ
跳んだり跳ねたりした
今は若い人たちから
変な理屈で 支配されて
負けそうだ
つまり お付き合いさ
誰でもまっすぐ
生きていたいから
ぼくも もっと頑強に
抵抗しようか
暴走老人というらしい
町内会で威張っても
仕方ないのに
人間ができていない
しみじみ 反省させられる
午後である
若い頃は
大人たちの振る舞いに
憧れ
跳んだり跳ねたりした
今は若い人たちから
変な理屈で 支配されて
負けそうだ
つまり お付き合いさ
誰でもまっすぐ
生きていたいから
ぼくも もっと頑強に
抵抗しようか
暴走老人というらしい
町内会で威張っても
仕方ないのに
人間ができていない
しみじみ 反省させられる
午後である
うつくしいというより
微妙なやさしさ
あきは
山の葉が枯れて
落ち葉になって
もういいよこの世の美しい
色はわかった
人の心もだいたいわかった
貧しい人たちは 安い野菜を買い
金持ちはどこかの宿で
パイナップルジュースを飲んでいる
が たいした差はない
胃の中では同じだ
ホルモンやきのせんまい
胃の中のぎざぎざ
同じさ
ココロも体も
切るか捨てるか 温存するか
死ぬまで
死ぬまで内臓に従属するか
それとも 雨の中を
影とともに歩いていくか
安宅の関から東尋坊へ行き
高見順の詩碑を拝んできた
俺は荒磯の生まれなのだ
雨も止んで
きらきら光る
日本海の確かにざわざわと
波が寄せる
海があり
三好達治や小林秀雄
日本が敗戦の時代に
越前にいて
いろんなことを思ったが
荒磯散歩道は
何か怖い毛虫が出るような
気味の悪い道で幽霊が出そうだ
遊歩と言うわりに すこし気味が悪い
草の茂る
都会育ちの子供には
ちょっと嫌な道に思える
安心できないぞと
久しぶりに県立図書館に行く
昔の仕事仲間がいる
順調に歳を重ねている
眼はきらきら光っているが
やや疲れている感じ
いろんな顔に会う
見たことある人
30年ぶりの人
何か催事があるみたい
講演会も
僕は一足お先に卒業した
みんな先のことを何となく
考えている
死ぬまでどうすれば生きて行けるか
どのように
楽しく生きていくか
おいしいものを食ったり
好きな音楽を聴いたり
萩原朔太郎のギター
三好達治の詩
自分に納得できる時間を
充分に味わうこと
雪も楽しみ晴れも楽しみ鳥も猫も
普通に楽しんで
時々昔の算数や国語の問題を真剣に悩んで
遠い国のことや死んだ人のことを想い
暮らしていく ちちやはは 兄弟
友人
担任の先生や 詩を書く人たち
笑っていたあの話題
20年ぶりに顔を出した
60歳の人は80歳になって
70歳で 亡くなっている人もいた
みんな 表情は柔和だった
嫌いだった人もいた
そんなことも 忘れ
やあやあ と握手した
へたくそな詩でいいさ
生きることが仕事だ
へたくそな詩で十分だ
死ぬまで生きるんだ
それでいいさ
笑顔で別れる
彼らは地下に行く
これが最後かもしれない
地下には 車があるのだ
本物の地下に行く
わけではないよ
しばし の別れなのだ
手を振って笑いながら
わかれるのだ
笑いながら エレベータのボタンを押す
開くというボタンを押しているから
いつまでもみんな
ドアの開いたエレベータに
黙って乗っている
のだった
空き地にコスモスがたくさん咲いている
緊急サイレンが鳴る
10時は訓練だというが
ミサイルを合計23発
お返しもしたらしい
そういうことはしないほうがいい
ロシアが警告したらしい
コスモスを玄関に飾っている
午後は良い天気だった
椎の木を剪定した
蟻が巣を作っている
チューリップを植える花壇に土を入れる
パイナップルとジンで
ブルーハワイのようなカクテルを作りたい
ブルーチーズをかじって
ウイスキーを炭酸で割って
工具が欲しい
上等の工具
チェーンブロックで
からからと巻き上げて
根っこを取り出したい
中也と小林の気持ちになっている
友人から連絡がある
登山に行ったようだ
秋の日だ