2014年10月31日金曜日

久しぶり

20年前の上司が
蕎麦でも食おうと
ふらりと姿を見せた

私は京都の骨董市の話をした
布袋さん、掛け軸、あまり好きなものはなかった と

上司は快速列車で宇部へ行ったらしい
宇部は下関から行く 

大根降ろしをかけた越前そばを食って外へ出る
カエデの木が紅葉していた

20年前には小さな苗木だった
こんなに立派になるのだね

誰が見ているのだろう
真面目に咲くのだね

そりゃあ損得ではないですよ
植物はね

誰かさん みたいに威張ったりしない
弱いくせに吠えたりしない

私は黙って聞いていた
誰かさんは私のことではないか

しかしこの上司は皮肉を言う人ではないから
誰かさんは私ではないと

想うことにした









2014年10月30日木曜日

ケヤキの下で

大きなケヤキの下で
落ち葉を踏みながら
ひとつのことを考えた

どうすれば
世界中の人々が
楽しく幸せに暮らせるか

思想、方法、家庭、健康
人間関係、自己実現、職業

悲惨な子供たちが多い
大人が子供を働かせている国
そういう子供たち
どうしたら救えるか

冷たい風が急に音を立てた
私は、あわててポケットに手を入れて
歯を食いしばった
私には救う力がない
私には絶望しかない
私はただうつむいて沈黙しかない
私は何のために存在しているか
困ったことに
答えはどこにもない

2014年10月29日水曜日

ケイマン

私の車を轟音と共に抜き去って
ずっとムコウの赤の信号で止まっている
スポーツカー
ブオブオ
何やらすごく馬力が強そう
排気音が朝の通勤に不似合い
周りは軽自動車だもんで

よし負けるものか
こちらもうまく運転して
ようやく追いついた
うしろのカバーに文字が書いてある

カイマンと読める
カイマンとはワニのことだろうか
後で調べると
ポルシェである
ポルシェには逆立ちしても勝てない
私は紳士だから愛車もエレガント
ポルシェは鉄の馬だ
明日もし遭遇したら
笑顔で道を譲る
はずですけど

2014年10月28日火曜日

冷え込む

ついこの前
あんまり暑くてエアコン入れて
冷えるとスイッチ切って
すぐに暑くなり
目を覚まして
いたのに
もう11月だ
寒い秋が来る

昼休みに
椿の枝を落とした
すると名札が出てきて
「やぶつばき」
と書いてある

そうかこれが藪椿か
そういえば藪みたいに
ぼうぼうと茂っていたな
つたも生えて
白い蛾もいた
きっと毛虫がいたのだろうな

2014年10月27日月曜日

落ち葉

強い風に南京ハゼやカエデが吹かれている
落ち葉であたりは赤くなって
朝 職場に早く着いたので
塵取りに熊手
落ち葉をかき集め
あちこちに小さな山を作った
こういう気持も いいものだ

お昼まで せっせと働いて
弁当を食って外へ出ると
積んでおいた落ち葉は跡形なく
どこかに飛んで
「飛散」という文字が浮かんだ

上を見るとこれからが本番と言いたげに
まだまだたくさんの葉が
地上を狙っている

昔 暗い喫茶店で
見知らぬ人と相席となって
苦い顔で 週刊誌を読んだ
あれは最低の昼休みだったと
今思う


2014年10月26日日曜日

大骨董市へ行く

京都伏見の大骨董市に行く
あるわ・・あるわ・・
世の中こんなものがあるのか・・びっくり
会場入口に並んでいると
ガラス越しに
布袋さんと二宮金次郎がいる
富士山の絵に火鉢
半鐘、日本刀、火縄銃
掛け軸、着物、仏具、陶器、古時計、腕時計、銀細工、皿、壺
入場して札を見ると金次郎は7万円だ
自宅の入口に飾っておけば
「あああの金次郎の家ですよ」有名になるかも知れぬ
以下、会話の断片
主人「私らは木の成熟を見ます」
客「きれいですね」
主人「これは李朝の」
「あれは」「ツゲです」こちらは「伊賀ですが」「唐九郎の」
「ヤーヤー」振り返ると、ドイツ人の集団
「このブッダは身体が金で頭部が青い」
「そうやろか」「ほんまや」
にーめんはお「これいくら」「8000円です」
とれびあん「セ・コンビアン」「2万円」
水晶の玉ないですか「ない」
掛け軸どれでも2千円
「少年老い易く学成り難し」足早に去ること風のごとし
「一寸の光陰軽んずべからず」


2014年10月25日土曜日

いい天気

バラの枝を剪って草を採って
気が付くと午後の4時だ
11時ころに庭先に出て5時間立っていたことになる

ダイコンの黒い虫を割り箸でとった
マラソンやスミチオンは使わず
大きな蜘蛛も5~6匹とった
途中蚊に吸われたが
すでに蚊の威力もなく
バラのとげのほうがはるかに
指先に堪(こた)えた
赤いバラには棘がある
きれいな人に ご用心

夜は「ハワイの若大将」を観て
ハワイもまだ高層ホテルが少ない時代だ
しかしヒルトンのエントランス道路は
現在と同じだ
精一杯あらん限りの知識をひけらかした
土曜日でした

2014年10月24日金曜日

歯車

歯車は
うまくかみ合うと
うまく回るものだ

ちょっと早いけど暇だから
準備だけしておこうかな

そっとつぶやくと
まるでその瞬間を
待っていたかのように廻りだす

物事

くるくるくるくる
気が付くと
いろんなことが終わって
また新しい日常が顔を出して

新しいことが待っていてくれる
噛み合わないと
軋む
音を立てて歪む
最後は壊れて

するとまた新しい歯車が
どこかの工場で製作されて
またどこかに
設置される

2014年10月23日木曜日

グリコの看板

道頓堀のグリコ
看板がLEDに変わったらしい

一粒で300m走るのだ
カロリー計算の根拠もわかった

あれに男版と女版があると
もっといいなと思う

小学校での運動会
昼休みに一粒食べて

グランドを回るのが流行った
しばらく走っていると

みんなのスピードが上がってきた
振り返ると大きな黒い犬が追いかけてくる

それは予防注射を受けていない
評判の噛みつき犬だった

2014年10月22日水曜日

味噌 煮込み うどん

冬のような寒い風
今宵は
あったかい味噌煮込みうどん

名古屋名物

ういろうも
どて煮も
手羽先も
名古屋コーチン好きだが

なんといっても
味噌煮込みうどん






2014年10月21日火曜日

文久生まれの先祖

香港では
学生のデモが続いている
日本では
デモをする必要がない

選挙に出馬する
あるいは出場しない
あるいはさせない

どこの国でも政敵や親戚関係や派閥
いろいろとあるだろうが

昔の日本みたいに多額納税者だけ
選挙に参加できるというのも困ったものだ

しかしそれもついこの間のこと
僕の曽祖父はちょん髷だった
江戸時代(文久)の生まれだから

2014年10月20日月曜日

甘い柿

職場の先輩から
袋いっぱいの柿をもらった

おいしかった
甘さがやさしい
上品で なつかしい
柿は
こんなに美味いものだったか

テレビはしきりに
大臣の辞任を告げている

私は大臣になれなかった
いや
大臣になろうとおもわなかった
いや大臣になる星の下に生まれてこなかった
その

どちらにしてもこの柿は
美味い柿

2014年10月19日日曜日

ラーメンを

大食いでラーメンを15杯食べて
優勝する番組を見ていたら
無性にラーメンが食べたくなり
片道30分かけて貴重なガソリンを消費する
マッドマックスの気分

いつも混んでいる駐車場
さみしい
まさか主人が亡くなったのか
失礼な想像をしたが
入口に土日は4時でおしまい
と書いてある
すると主人が乗った車が出てきた
4時30分だった
初めて主人の愛車を見た
ヴィッツだった
運転している姿も初めて見た
そんなことはどうでもよいことだが

バースデー

散髪屋の帰りに酒屋へ行って
安いシャンパンを買って
人生 
こうしていられるのも
ありがたいことです
乾杯
泡が出すぎて

パジャマずぶ濡れ
気を取り直し
書棚の高村光太郎全集(筑摩)第1巻を

「冬の詩」



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
再び僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、僕の手を握れ
大きな公孫樹の木を丸坊主にした冬
きらきらと星の頭を削り出した冬
秩父、箱根、それよりもでかい富士の山を張り飛ばして来た冬
そして、関八州の野や山にひゆうひゆうと笛をならして騒ぎ廻る冬
貧血な神経衰弱の青年や
鼠賊のやうな小悪に知慧を絞る中年者や
温気にはびこる蘇苔のやうな雑輩や
おいぼれ共や
懦弱で見栄坊な令嬢たちや
甘つたるい恋人や
陰険な奥様や
皆ひとちぢみにちぢみあがらして
素手で大道を歩いて来た冬
葱の畠に粉をふかせ
青物市場に菜つぱの山をつみ上げる冬
万物に生をさけび
人間の本心ゆすぶり返し
惨酷で、不公平で
憐愍を軽蔑し、感情の根を洗ひ出し
隅から隅へ畏れを配り
弱者をますます弱者にし、又殺戮し
獰猛な人間に良心をよびさまし
前進を強いて朗らかな喇叭を吹き
気まぐれな生育を制えて痛苦と豊饒とを与へる冬
冬は見上げた僕の友だ
僕の体力は冬と同盟して歓喜の声をあげる
冬よ、冬よ
躍れ、さけべ、腕を組まう



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
都会のまんなかも冬だ
銀座通りも冬だ
勇敢な電車の運転手、よく働く新聞の売子、誠実な交番の巡査、体力を尽す人力車夫
冬は汝に健康をおくる
大時計の鐘も空へひびいてわたり
宝石は鋭くひかり
毛布、手袋、シャツ、帽子、ボア、マツフ、外套、毛皮は人間の調節性を語り
葉巻紙巻の高価な烟草、ポムペイヤ、シクラメン、カシミヤ、ペロキシイド、香水、サラヂウム、エマナトリウム、白粉は、人間の贅沢と楽欲との自然性を賛美する
ラヂウム、エマナトリウムに冬は人間の滑稽な誇大癖を笑ひ
湯気の出てゐるカフエの飾菓子に冬は無邪気な食慾をそそる
女よ、カフエの女よ
強かれ、冬のやうに強かれ
もろい汝の体を狡猾な遊治郎の手に投ずるな
汝の本能を尊び
女女しさと、屈従を意味する愛嬌と、わけもない笑と、無駄なサンチマンタリスムとを根こそぎにしろ
そして、まめに動け、本気にかせげ、愛を知れ、すますな、かがやけ
冬のやうに無惨であれ、本当であれ
白いエプロンをかけ、鉛筆をぶらさげたカフエの女よ
けなげな愛す可き働き人よ
冬は汝に堅忍を与へる
冬は又、銀行の事務員、新聞社の探訪、保険会社の勧誘員を驚かし
冬は自動車のひびきを喜び
停車場構内の雑踏と秩序とを荘重に彩り
時のきびしさを衆人に迫る
冬よ、冬よ
躍れ、さけべ、足をそろえろ



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
大川端も冬だ 
永代の橋下にかかつて赤い水線を出して居る廻運丸よ
大胆な三百噸の航海者よ
海の高い、波に白手拭のひるがえる、かもめの啼いて喜ぶ冬だ
汝の力を果す時だ、汝の元気の役立つ時だ
さうだ、さうだ、鯨のうなる様な汽笛をならせ
檣に綱を張れ、旗を上げろ、黒い烟を吐け
猶予するな、出ろ、出ろ
あの大きい乗りごたへのある大洋へ出ろ
汽罐を鳴りひびかせろ
働いてほてつた体に霙を浴びろ
ああ、数限りのない小舟の群よ
動け、走れ、縦横自在にこぎ廻れ
帆かけ船は帆をかけろ
にたりは櫨べそに水をくれろ
水に凍えたまつ赤な手足をふり動かせ
忠実な一銭蒸気は、我がもの顔に大川を歩け
冬は並び立つ倉庫に乾燥をめぐみ
高い烟突の煤烟を遠く吹き消し
大きな円屋根を光らし
川べりの茶屋小屋を威嚇し
吾妻橋の人込みに歓喜する
土工よ、人足よ、職工よ
汗水を流して、大地に仕事をし、家を建て、機械を動かす天晴の勇者よ
汝の力をふりしぼれ、汝の仕事を信仰しろ、汝の暴威をたけらせろ
泣く時は泣け、怒る時は怒れ、わめく時はわめけ
やけになるな、小理窟をいふな
冬のやうにびしびしとやれ
脊骨で重い荷をかつげ
大きな白い息を吹け
ああ、かはいらしい労働者よ
冬はあくまで汝の味方だ
骨身を惜しまず正義を尽せ
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、足を出せ



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
高台も冬だ
馬車馬のやうに勉強する学生よ
がむしゃらに学問と角力をとれ
負けるな、どんどんと卒業しろ
インキ壺をぶらさげ小倉の袴をはいた若者よ
めそめそした青年の憂鬱病にとりつかれるな
マニュアリストとなるな
胸を張らし、大地をふみつけて歩け
大地の力を体感しろ
汝の全身を波だたせろ
つきぬけ、やり通せ
何を措いても生を得よ、たった一つの生を得よ
他人よりも自分だ、社会よりも自己だ、外よりも内だ
それを攻めろ、そして信じ切れ
孤独に深入りせよ
自然を忘れるな、自然をたのめ
自然に根ざした孤独はとりもなほさず万人に通ずる道だ
孤独を恐れるな、万人に、わからせようとするな、第二義に生きるな
根のない感激に耽る事を止めよ
素より衆人の口を無視しろ
比較を好む評判記をわらへ
ああ、そして人間を感じろ
愛に生きよ、愛に育て
冬の峻烈の愛を思へ、裸の愛を見よ
平和のみ愛の相ではない
平和と慰安とは卑屈者の糧だ
ほろりとするのを人間味と考へるな
それは循俗味だ
氷のやうに意力のはちきる自然さを味へ
いい世界をつくれ
人間を押し上げろ
未来を生かせ
人類のまだ若い事を知れ
ああ、風に吹かれる小学の生徒よ
伸びよ、育てよ
魂をきたへろ、肉をきたへろ
冬の寒さに肌をさらせ
冬は未来を包み、未来をはぐくむ
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、とどろかせ



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見渡すかぎり冬だ
その中を僕はゆく
たった一人で――

2014年10月18日土曜日

とうとう 風邪だあ

頭が痛い
触ると嫌な感じ

熱もある
風呂へ入って
冬のパジャマ着て
靴下はいて
御飯一杯食って

7時半に寝た
熱い

2時間くらいたって
おなかが張って

ものすごいガスが出た
朝まで3回
気持ちいいくらいの

ぶおおおおおおおお
ぶおおおおおおおおおおお
ぶおおおおおおおお

変な風邪

胃液が逆流して3回飛び起きた
ひさしぶりだあ

胃液の逆流
逆流性食道炎と言われた時もあった

朝方までよく眠れた
これで済むなら
風邪は僕の餌食だ

そこで
冬は僕の餌食だ
という高村光太郎の詩を思い出した


「冬が来た」

きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒(ほうき)になった
 
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
 
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
 
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た

2014年10月16日木曜日

カミナリ

今 雷が鳴っている
忙しい国だ

昨日は地震があった
どうするのかこんな狭い国

次から次へと天変地異
火山まで爆発して

大雨洪水
台風で床上まで浸水

地すべり山崩れ
強風が列島を暴れまくって

しかし台風が過ぎた翌朝
庭先の蜘蛛が自分の家をちょっと修理している

2014年10月15日水曜日

大きなピーマン

定期検診の医院で
大きなピーマンをもらった

はじめは「草もち」かと思った
よくみると絵が描いてある

これはどこかで見た記憶がある
しばらくしてこれは、ハローウインの「かぼちゃだ」

しかし、これはある意味での教育である
肉食や酒ばかり飲んでないで野菜を食べなさい

それも黄緑色のものを
そうかそういう意味なら

このクリニックは
総合教育病院であり

野菜が病気を治すという
ぴーまん、ししとう、甘長系医院である

交通事故 遭遇

朝  農道の交差点で
大きなワンボックスカーと小さな老夫婦の軽自動車が
どちらも、いったん停止したのかどうか、良く分からないが
ドンという音がした
次の瞬間、大きな車が
ガードレールを背中に
ひっくり返って
タイヤがぐるぐる回っている
ちょうど背面跳びのような格好だ
車を停めて駆け寄ると
老夫婦もやってきて3人で
ドアを天に向けるように開けた
大丈夫かというと
若い男性がゆっくりと外に出てきた
コアラのような動きだった
筋力があるドライバーだった
私が ガソリンに火がつくと危ないから、というと
みんな少し離れて見守った
まもなく通勤の車が数珠つなぎ
誰かが走りながら電話で警察を呼んでいる
ドライバーに怪我もないから
交通整理をしていたが
私の車が一番邪魔をしているように思えたので
老夫婦に声をかけて立ち去った
ことを12時間後に思い出した

2014年10月14日火曜日

稲荷ずし

親戚の2歳の女の子が
アメリカンスクール保育所に
通っているらしい

まだ日本語も話せないのに
英語を習わせるなんて

あほかいな
しかしですよ

誰かが英語で話しかけると  この子は
反応する

こっちも 
ハウ ド ユ ド

アイライク 寿司

イナリずし


2014年10月13日月曜日

雨戸

台風が来るというので
そうだ雨戸だ と思った

何年も使っていない
10年ほど前に台風が来たとき
雨戸は きいきいと 面倒な音を出した

その時は
隣りの材木小屋のトタンが何枚もはがれ
びゅんびゅんと舞って
翌朝は
我が家の樋(とい)と柊の枝を
ずたずたに切断 車庫の壁面も切られ
 

持主に連絡して すぐ元通りに修理してもらった
その時 家本体には被害がなかったので
柊は家を守る良い木であること
台風には雨戸だと

先日町内のバーベキュー大会で
うちのおじいちゃんがすぐ雨戸を閉めろという
いやになる
近所の若い夫婦が笑っていた
しかし私は雨戸は大切だと 強調した
そういうこともあって 今度の台風には
きいきいと雨戸を引いたのだ

2014年10月12日日曜日

重巡 利根

大野に住んでいる友人が
軽巡 矢矧の模型を作っていて
そのブログを見て


そういえば 軍艦の修理を
したという父親を思い出した


旧帝国海軍の重巡洋艦 利根は
舞鶴を母港にした


私の父が舞鶴の海軍工廠にいた時
入港して改装修理をした
タライを浮かべたような
でっかい船だった
こんな船はどんなことがあっても
沈まないだろうと
思ったとか


戦艦大和と
一緒に沈んだのだ

2014年10月11日土曜日

キムチ

無性に辛い物が食べたい
礼服を脱いでから
キムチ鍋を食べたくなって
材料を買ってきた

豆腐と豚肉薄切り
にら



葬儀開始の合図
お坊さんの叩く鐘の音
かんかんかんかんかん
かかかかかかかかかあああんんん かん
鋭く耳に焼き付いている

金属の音が耳の底で
鳴り止まぬ



そのせいだろうか
辛い物を食べたい
キムチ鍋のスープメーカ
3社あり 迷う


そこで少し現実に戻される

2014年10月10日金曜日

葬儀

葬儀があって
いろんなことを決めたり
黙ったり

納棺やら
若い係員の説明に耳を傾け
うなづいたり

なるほど
上手いものだ
なるほどそうか
昔の暗い

そしていつまでも
だらだら酒を飲み
どこかの親戚同士が
喧嘩したり

田んぼでもめたり
しないんだ
最近は

2014年10月7日火曜日

そういうわけで

3人のノーベル賞が決まった

日本では 研究者が頑張って発見しても
結局、会社の仕事の成果だと

特許や利益をめぐって
訴訟になることがある
ことを知った

会社が開発研究経費を払ったのだから
あとは給料でよいだろう
ということか

詩人 金子光晴が「赤土の家」と呼んだ風土
みそ汁と海苔と座布団
仏壇と雨戸
座敷の壁面に戦死者の遺影

そういうわけで
3人の研究者が日本の土壌から
晴れて受賞したことは

おめでたいのだ

2014年10月6日月曜日

風もようやく

台風は 静岡から関東へ
北陸としては あまり被害はなかった




このごろいろんな
詩集が届く


無理に世界を歌うのではなく




生きている日常の断片を切り抜き
その模様を知らせる


できれば夕日






あの街この街
日が暮れる
今来たこの道かえりゃんせ




おうちがだんだん遠くなる


歌いながら
泣いたことがある





2014年10月4日土曜日

台風が迫る

台風が迫って
涼しい風が強く吹いて


郊外へ
野菜を求めて


スイカにメロン
おくら
甘長


ジャガイモ
玉ねぎ
長ネギ ホウレンソウ


親戚から
マツタケが届き
マツタケご飯


美味しかった
手を合わせて いただく





2014年10月2日木曜日

セメントの粉

そっくりだと知人が言った。

昭和54年に
御嶽で噴火があり

ふもとにいたら
セメントが降ってきたという

車の前のガラスが
傷だらけになって

まず
ほうきで落としてから

水をかけるのだそうな
水をかけると重くなって

なかなか始末に悪いものだと
松本にいた知人は

転勤時代を振り返った

2014年10月1日水曜日

47名の尊い命が

木曽の御岳山
47名の犠牲者
恐ろしいことだ


朝のラジオ
フイリッピンで1991年
ルソン島北部のピナツボ火山が噴火
二酸化硫黄は成層圏まで達し
落ちてこないと
気温が下がる


寒い夏には米がとれず
タイ米を輸入したそうだ


飢饉で食糧不足から
民衆が蜂起して


フランス革命が起きた