2022年4月21日木曜日

発見

 ずいぶん偉いひとから

手紙をもらっていた

有名な作家や詩人

詩集を出した時、3つの新人賞の最終選考に

残っていた

思い出した

詩集を出して賞をとるレースに明け暮れる

そういう道をたどってはいけない

尊敬する詩人が手紙をくれた

審査員に媚びて賞を貰う

好きなことだから 愛想笑いは しなかった

部屋を掃除して書評を読んでいたが

審査員は みな亡くなって

思い出すら かちんかちんの粘土 

外は雨になって 

忘れていた記憶がよみがえる瞬間 

寒気がする

地中に眠る人たちの

たくさんの本に囲まれ

呼吸がつらい

詩人の仕事は ひとつ

ひとびとを幸せに

この世の様々なことを美しい言葉で描写する

なかなかそうはいかない

ある夜

長谷川龍生が話していた

いまさらにして 新しい発見の日

 

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