2022年12月26日月曜日

鏡餅を買ってきた

 餅は餅屋というが

餅ばかり並んでいて

僕の好きな団子は休み らしかった

鏡餅は 床の間では

セロハンにくるんだまま にしてください

でないと ひび割れ します から

みると 乾燥剤が入っている

乾燥すると ひび割れする のに

そう思ったが黙っていた

僕は頭の中で 保湿剤を想像した

やがて 鏡開き のことを想像した

割るではなく 開く

剣道や柔道の 初稽古の後で

子供たちが 道着のまま ぜんざいを食べる 

そういう少年時代も いいな

餅は普通に飾ればよい 

ひび割れても いい 

そう思ったが黙っていた

サンタは寒い国へ 帰っていった 

不景気で プレゼントも少なかった

空路ではなく 駅に並んで切符を買っていたという

あれは学生アルバイトのサンタだ

プラカードを下げていた

芥川の「歯車」の世界と ぼくは違う

芥川賞はもらえない が それでいい

歯車は見たくない

ぼくの「閃輝暗点」は消えた

ありがたい



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