2012年8月14日火曜日

剣道は美しい思い出ばかり

中学では剣道部に入った。先輩は部室で竹刀を背中に入れ、背筋が曲がっていると、矯正してくれた。いじめに見えたらしいが、僕は何とも思わなかった。肘が曲がっている、ぱしいん・・と叩かれた。竹刀で耳を打たれたとき、しー・・・と、セミが鳴いた。汗くさい部室、防具のにおい。懐かしいな。好きな女子が卓球部にいて、チャンバラをしながら卓球台に近づいて、目があって、「あのひと・・誰だっけ」などと言われてうれしくて、同じ汽車で帰る時が最高だった。13歳のころ。邪念だらけで、はかまの裾を踏んで、ランニング中にころんだ。青春の城下町だった。夕方、遅い汽車で帰る。夕陽がきれい。
 学生時代、練馬のアパートの大家は警視庁の剣道師範で有名な小沼宏至八段だった。この人は、三島由紀夫が割腹したとき、剣道を教えていたという。親戚に八段、駒澤大学で教えていた山口正雄という剣士がいた。酔うと「大きな栗の木の下で」をうたった。二人とも八十過ぎまで生きた。

2 件のコメント:

  1. 懐かしい。その大家の息子です。偶然、ヒットしました。

    返信削除
  2. 始めまして、山口彰夫と申します。
    正雄は私の祖父にあたります。
    偶然見つけたブログにびっくりしました。

    返信削除