2012年8月15日水曜日

校内マラソン大会

 マラソンは苦い。土手を走る。つらい、暑い、ひたすら走る。秋になると
柿がたわわに実っている。塀の外からジャンプして柿をもぐ。自転車で「しっかり走れ」追い越していく審判、審判は怪我で出られない静と、体調不良の生徒が順に務める。しばらくすると、土手の藪に自転車が隠れている。審判員はいない。途中で選手になったのだ。上位入賞すると下駄箱にラブレターが入っている。遅いゴールは、女子のマスゲームの中を上半身裸で走る罰ゲーム。
いまなら問題だなあ。好きな人がいるマスゲームの海を裸で走る。ゲームの輪が乱れる。この人はあの人が好きだ、と知っている女の子たち。好きな子に会えるように、連中はわざわざ、道を作ってくれる、あの死にそうな快感。このまえアフリカの男女の出会いをテレビで観た。頭の上に大きな荷物を載せて歩いている女性、男が後ろからわき腹を触る。きゃっきゃと、身をよじらせて、女性は走っていく。白い歯をむき出して笑って。わかりやすい、これが求婚だ。

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