2012年8月9日木曜日

悲しい水泳の記憶

次の記憶はなんと水泳である
村の児童会が計画する海の日
父は 私を海の近くの戦友の家に連れて行って そこで着替えをした
浮き輪を首に 二人は かなり歩いて海水浴場へ向かったのだ
川のような 水が流れる場所を2度渡った 黒い網が干してあった
その記憶で 助かった 午後4時になると 急に雨が降ってきて
村の人は 撤収を始めたが 私の着替えがない 父もいない
父はすでに 戦友の家に戻って 飲んで寝ていた
私は 雨の中 寒さに震えながら 泣きながら 川を渡り
それでも 黒い網を横に見て 戦友の家を目指し 野良犬のように
海側から漁家の裏口へ帰ることが いかに難しいか を知ったのだ
そこで 水泳は嫌いになった いまもその時の夢を見る 小学校2年生の
母が入院中だったのだ それは「夏至」をみてくりゃれ

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